排気量を上げるボアアップとは
ハーレーのカスタムは大別すると走行性能の向上と美しさのアピールがあります。
ボアアップはエンジンの排気量を上げることでパワーを増幅させる、走行性能の向上を目的としたカスタムです。ボアはエンジンシリンダーの内径であり、ボアアップは内径を拡大させることを意味しています。ボアを広くすることで一度に吸引できる混合気の量が増加し、同じエンジン回転数で急速にパワーアップさせることができます。カスタムはボアを広げるだけなので、ピストンとシリンダーのチューニング以外は基本的に必要ありません。ピストンのスカッフィングやオイル切れなどの不具合が起こす心配もほとんど無いため、簡単かつ実利性に富んだカスタムと言えます。
ハーレーのパワーアップに最適と言っても過言ではないボアアップですがデメリットもあります。ボアを拡大するとその分だけスリープが薄くなります。スリープが薄くなるほど発熱量が増加し、ノッキングが発生しやすくなる点には注意しなければいけません。ノッキングは燃費を著しく悪化させる他、エンジンに大きな負担をかけるトラブルです。放置するとエンジンが故障するおそれもあるため、異常を感じたら速やかに修理しなければいけません。
ボアアップのカスタムでノッキングが生じた場合、スリープが薄くなりすぎているのが主な原因と考えられます。ピストンかシリンダーヘッドで圧縮比を下げ、トラブルの発生を未然に防ぐことが大切です。
愛車のハーレーをより力強く走らせるなら排気量を上げるボアアップが手軽かつ効果的なのは間違いありません。カスタムもボアを広げるだけなのであまり手間はかかりませんが、その一方で発熱量の増加による不具合のリスクが増えるのも事実です。適切な方法でエンジンへの負担を減らすのが愛車を気持ち良く走らせるための秘訣になります。